■vol.54 フィニッシュパターン:入る根拠のあるシュート
フットサルビギナーの多いゲームではロングシュートが非常に多く飛び交います。
”ゴールが見えたら打て”
サッカー経験者の中では学生の時、先生やコーチからこうアドバイスを受けた人も
少なくないからかもしれませんが、これは多くが積極性を出させるための言葉であって
結果的にそれが得点に繋がるのもサッカーであるからこそです。
フットサルで得点するにはまずそれが如何に非効率であるかを認識し、
なぜそうなのかを理解しなければなりません。
フットサルでも状況によっては遠目からのシュートは打ちますが、
根拠なしに闇雲に打つロングシュートはせっかく手にしたチームの攻撃権を
見す見す手放すだけになります。
サッカーに比べフットサルのゴールは非常に小さく(横が3m縦2m)
キッカーに対してゴールマウスが最も大きく開く正面であっても
ゴレイロが一歩の移動で反応できる範囲にしかボールを飛ばすことはできません。
さらに、
・多くがボールをキープした状態で「打つぞ!」という
”溜め”があってから放たれる = タイミングがわかる = 反応できる
・ゴールまで距離がある = 到達時間が長い = 広範囲の守備行動ができる
・正面 = 死角がない = 意外性・不安要素を排除して対応できる
という点を考えれば如何に遠めからのシュートが
直接得点になりにくいかは理解できるはずです。
これがビギナーレベルのゲームにおいてそれが得点になってしまうのは
ビギナーレベル相応のゴレイロに対して
キッカーがサッカー経験者またはビギナーには不釣合いな
鋭いシュートの持ち主であったというだけです。
ここで問題になるのは得点者がこの力の格差が招いただけの結果に対して
己の力を過信し、偶発的な得点に頼って論理的な得点手法を身に付けようとしない点です。
これらは当然ゴレイロが経験者に変わっただけで手も足も出なくなります。
なぜならその得点パターンにはそもそも「入る根拠」がないためです。
ゴレイロの反応速度を上回る強烈なシュートを持たないビギナーが
フットサルをサッカーを小さくしただけの”ミニサッカー”に位置付け、
ゴールマウスを狙っただけのシュートが入ってくれるほど
本来フットサルは簡単ではないのです。
結論から言えばフットサルにおいて得点するのに力はいりません。
得点で「力」が必要条件なら初心者や女性は得点できないことになってしまいます。
では誰にでも有効な得点手法を考える上で原点に戻って考えていきましょう。
得点は”ボールをゴールに放り込むこと”で成立します。
最終的にその妨げになるのはゴレイロですが、フットサルにおいて
得点が難しいのは既に説明したとおりゴールの大きさに対して
ゴレイロの体の占める割合が多いからです。
これは言わばゴールに「フタ」をされているようなものです。
では実際にゴールを「ナベ」に見立てて打開策を考えてみましょう。
残る要素のボールは「ダンゴ」に見立てます。
フタをしたナベにダンゴは入りません。
フタが完全に外せないほど重かったらどうやってダンゴをナベに入れますか?
外せないまでも少し持ち上がるのであれば、
ずらしたり片方だけ最小限持ち上げフタを傾けて隙間から入れませんか?
得点の原理はこれを同じなのです。
完全にナベを離れずクチを塞ぐフタは、ゴールに立ち塞がるゴレイロです。
そのゴレイロも左右どちらかから侵入する相手に対しては
仮にシュートを打たれた場合を考えると、距離が近く反応が間に合わないニアポスト側は
予め体でコースを塞がなければならず、
逆サイド=ファーサイドから見て大きくクチを開けなければならないのは必然です。
この原理を利用すればボール保持者がシュートを意識してゴールに近づき
ゴレイロを一方のサイドに引きつけてから反対サイドにパスし
ガラ空きのゴールに味方が押し込む「揺さ振り」は
圧倒的な得点成功率を誇る武器になります。
また同様の利点を考えれば、対角に向けて打たれる味方のシュートにはチャンスがあり
必ず他の味方が詰めていなければならないことに気づけるはずです。
これはゴールマウスを少し外れてしまったボールのときほど有効で
ゴレイロは通常、ゴールを外れ失点の可能性の無くなったボールを
ファンブルする危険を冒してまで敢えてキャッチしようとしないので通常見送ります。
よって味方がシュートの瞬間まで死角となるファーエリアに
ゴレイロに気づかれず進入できれば棒立ちのゴレイロを尻目に
ゴールに押し込むことが可能です。
(ここでは単なる使い分けの理由でこれを「ファーサイド(ポスト)への詰め」と呼びます)
どちらの手法にも得点率を左右するポイントがありますが、
その一つ目は「ゴレイロの引きつけ」です。
ゴレイロを陽動する役はパスに対するゴレイロのファーサイドへの反応を許さないよう
充分な距離の引きつけ、キャンセル不能な”決定的な行動”
つまり「滑り込み」やニアに焦点を絞って腰を落とす「シュート防御姿勢」を
誘う行動が必要になります。
これにはゴールを狙う意思を込めたシュートフェイントなどを使うといいでしょう。
二つ目は反対サイドに詰める味方の「ポジショニング」と「シュート判断」です。
いくらゴレイロを欺くとは言っても
ゴレイロが反対サイドへの反応を諦めでもしなければ
所詮できる「隙」は一瞬です。
これを確実に活かすには適確な位置に、適確なタイミングで走り込むことと
多くを”ダイレクトで”押し込む技術が必要になります。
しかしシュートの判断はパスが弱くゴレイロの反応が間に合ってしまったときなどは
もう一度反対サイドへ再度折り返さなければならないので
状況に適した行動を取れる冷静さが必要です。
ビギナーは誰かが”シュートモード”に入るとそれ以外の選手は
すべてを任せて成り行きを”見守るモード”で棒立ちとなることが多いのですが、
これら状況さえ成立すれば圧倒的な得点力を誇る手法を
チーム戦術に組み込むには、普段から「常に自分ができること」を探す
徹底したフォローの習慣が必須です。
これらを怠って10本打って1本入るかどうかの工夫のないシュートを
繰り返すのではなく、一つのチャンス、1本のシュートを
確実に決める努力をするのがフットサルです。
これらのフィニッシュパターンは
「強く」「正確な」インステップシュートが打てない
ビギナーや女性がいるチームであっても、
フットサルにおいては”仲間のことを考えて努力できるか”次第で
ハイレベルな相手とも対等な勝負ができるということを証明するものです。
つまりフットサルの強さに必要な要素は「フィジカル」以上に
「手法の確立」と「チームプレー」なのです。
だからこそビギナーにとって「考えること」「楽しむこと」が
上達への近道なのだということを理解し
普段から意識的に取り組む必要があるのです。
◎詳しくは >> フットサル情報サイト 『 フットサルフリークス 』 [ 過去記事ランキング ]
”ゴールが見えたら打て”
サッカー経験者の中では学生の時、先生やコーチからこうアドバイスを受けた人も
少なくないからかもしれませんが、これは多くが積極性を出させるための言葉であって
結果的にそれが得点に繋がるのもサッカーであるからこそです。
フットサルで得点するにはまずそれが如何に非効率であるかを認識し、
なぜそうなのかを理解しなければなりません。
フットサルでも状況によっては遠目からのシュートは打ちますが、
根拠なしに闇雲に打つロングシュートはせっかく手にしたチームの攻撃権を
見す見す手放すだけになります。
サッカーに比べフットサルのゴールは非常に小さく(横が3m縦2m)
キッカーに対してゴールマウスが最も大きく開く正面であっても
ゴレイロが一歩の移動で反応できる範囲にしかボールを飛ばすことはできません。
さらに、
・多くがボールをキープした状態で「打つぞ!」という
”溜め”があってから放たれる = タイミングがわかる = 反応できる
・ゴールまで距離がある = 到達時間が長い = 広範囲の守備行動ができる
・正面 = 死角がない = 意外性・不安要素を排除して対応できる
という点を考えれば如何に遠めからのシュートが
直接得点になりにくいかは理解できるはずです。
これがビギナーレベルのゲームにおいてそれが得点になってしまうのは
ビギナーレベル相応のゴレイロに対して
キッカーがサッカー経験者またはビギナーには不釣合いな
鋭いシュートの持ち主であったというだけです。
ここで問題になるのは得点者がこの力の格差が招いただけの結果に対して
己の力を過信し、偶発的な得点に頼って論理的な得点手法を身に付けようとしない点です。
これらは当然ゴレイロが経験者に変わっただけで手も足も出なくなります。
なぜならその得点パターンにはそもそも「入る根拠」がないためです。
ゴレイロの反応速度を上回る強烈なシュートを持たないビギナーが
フットサルをサッカーを小さくしただけの”ミニサッカー”に位置付け、
ゴールマウスを狙っただけのシュートが入ってくれるほど
本来フットサルは簡単ではないのです。
結論から言えばフットサルにおいて得点するのに力はいりません。
得点で「力」が必要条件なら初心者や女性は得点できないことになってしまいます。
では誰にでも有効な得点手法を考える上で原点に戻って考えていきましょう。
得点は”ボールをゴールに放り込むこと”で成立します。
最終的にその妨げになるのはゴレイロですが、フットサルにおいて
得点が難しいのは既に説明したとおりゴールの大きさに対して
ゴレイロの体の占める割合が多いからです。
これは言わばゴールに「フタ」をされているようなものです。
では実際にゴールを「ナベ」に見立てて打開策を考えてみましょう。
残る要素のボールは「ダンゴ」に見立てます。
フタをしたナベにダンゴは入りません。
フタが完全に外せないほど重かったらどうやってダンゴをナベに入れますか?
外せないまでも少し持ち上がるのであれば、
ずらしたり片方だけ最小限持ち上げフタを傾けて隙間から入れませんか?
得点の原理はこれを同じなのです。
完全にナベを離れずクチを塞ぐフタは、ゴールに立ち塞がるゴレイロです。
そのゴレイロも左右どちらかから侵入する相手に対しては
仮にシュートを打たれた場合を考えると、距離が近く反応が間に合わないニアポスト側は
予め体でコースを塞がなければならず、
逆サイド=ファーサイドから見て大きくクチを開けなければならないのは必然です。
この原理を利用すればボール保持者がシュートを意識してゴールに近づき
ゴレイロを一方のサイドに引きつけてから反対サイドにパスし
ガラ空きのゴールに味方が押し込む「揺さ振り」は
圧倒的な得点成功率を誇る武器になります。
また同様の利点を考えれば、対角に向けて打たれる味方のシュートにはチャンスがあり
必ず他の味方が詰めていなければならないことに気づけるはずです。
これはゴールマウスを少し外れてしまったボールのときほど有効で
ゴレイロは通常、ゴールを外れ失点の可能性の無くなったボールを
ファンブルする危険を冒してまで敢えてキャッチしようとしないので通常見送ります。
よって味方がシュートの瞬間まで死角となるファーエリアに
ゴレイロに気づかれず進入できれば棒立ちのゴレイロを尻目に
ゴールに押し込むことが可能です。
(ここでは単なる使い分けの理由でこれを「ファーサイド(ポスト)への詰め」と呼びます)
どちらの手法にも得点率を左右するポイントがありますが、
その一つ目は「ゴレイロの引きつけ」です。
ゴレイロを陽動する役はパスに対するゴレイロのファーサイドへの反応を許さないよう
充分な距離の引きつけ、キャンセル不能な”決定的な行動”
つまり「滑り込み」やニアに焦点を絞って腰を落とす「シュート防御姿勢」を
誘う行動が必要になります。
これにはゴールを狙う意思を込めたシュートフェイントなどを使うといいでしょう。
二つ目は反対サイドに詰める味方の「ポジショニング」と「シュート判断」です。
いくらゴレイロを欺くとは言っても
ゴレイロが反対サイドへの反応を諦めでもしなければ
所詮できる「隙」は一瞬です。
これを確実に活かすには適確な位置に、適確なタイミングで走り込むことと
多くを”ダイレクトで”押し込む技術が必要になります。
しかしシュートの判断はパスが弱くゴレイロの反応が間に合ってしまったときなどは
もう一度反対サイドへ再度折り返さなければならないので
状況に適した行動を取れる冷静さが必要です。
ビギナーは誰かが”シュートモード”に入るとそれ以外の選手は
すべてを任せて成り行きを”見守るモード”で棒立ちとなることが多いのですが、
これら状況さえ成立すれば圧倒的な得点力を誇る手法を
チーム戦術に組み込むには、普段から「常に自分ができること」を探す
徹底したフォローの習慣が必須です。
これらを怠って10本打って1本入るかどうかの工夫のないシュートを
繰り返すのではなく、一つのチャンス、1本のシュートを
確実に決める努力をするのがフットサルです。
これらのフィニッシュパターンは
「強く」「正確な」インステップシュートが打てない
ビギナーや女性がいるチームであっても、
フットサルにおいては”仲間のことを考えて努力できるか”次第で
ハイレベルな相手とも対等な勝負ができるということを証明するものです。
つまりフットサルの強さに必要な要素は「フィジカル」以上に
「手法の確立」と「チームプレー」なのです。
だからこそビギナーにとって「考えること」「楽しむこと」が
上達への近道なのだということを理解し
普段から意識的に取り組む必要があるのです。
◎詳しくは >> フットサル情報サイト 『 フットサルフリークス 』 [ 過去記事ランキング ]
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